糖尿病の(慢性)合併症:「しめじ」「め」の巻
- 診療関連
糖尿病の(慢性)合併症:「しめじ」「め」の巻
今日は、糖尿病の合併症:「しめじ」の「め」についてお話しします。
「め」は網膜症(糖尿病網膜症:眼)
眼の中、ま裏に網膜という部分があります。
この場所は、いわゆる目から入ってきた映像の情報処理をして脳へ送る役割をするところです。
情報処理のための神経細胞が豊富であり、その神経細胞へ酸素や栄養を運ぶ血管(毛細血管)も豊富です。
糖尿病ではこの毛細血管が障害されるため、
出血したり、血液の栄養成分が漏れ出したりする変化が生じます。
血糖コントロールの悪い状態が長期間続くと、毛細血管が閉塞してしまうため、
酸素や栄養が行き渡らなくなり新生血管ができてきます。
ところが、この新生血管は大変もろく容易に出血してしまいます。
硝子体内に出血(硝子体出血)すると曇りガラスを介して外を見ている様な視力低下を急にきたします。
更にその後網膜剥離を起こす場合があり、その場合失明にいたることも少なくなく、
現在、糖尿病網膜症は失明に至る原因の第3位です。
糖尿病網膜症の検査・診断には眼科受診をお願いしています。
眼底検査という検査で網膜の状態を知ることができます。
予防には、血糖コントロールの改善が 第一に重要です。
高血圧や脂質異常のある方は、生活習慣の改善に心がけ、総合的に治療することが重要です。
写真はMaiさんシリーズ。
彼女のふるさとの土手だそうです。(福岡県)
開放感あふれる感じが好きです。