ブログ

糖尿病の(慢性)合併症:大血管編:えのき 「の」の巻

  • 診療関連

糖尿病の(慢性)合併症:大血管編:えのき

「の」の巻

 

「の」:脳梗塞

糖尿病は血液中のブドウ糖が慢性的に高くなる病気です。

血液中の糖分が高くなると粘調度が強くなり、

血管の内側が傷つきやすくなります。

太い血管において高血糖の影響を受け障害されることが原因で発症するのが、

動脈硬化症です。

動脈硬化症は糖尿病予備軍の頃から、

すでに高血糖の影響を受けて始まっています。

糖尿病の方、特に血糖コントロールの不良の方は、

動脈硬化性変化が早いため脳血管障害を起こしやすい事が指摘されています。

脳血管障害とは脳に栄養を送る血管に生じた障害で、脳の血管がつまったり、

血管が破れたりすることです。

脳の血管がつまって脳の組織が死んでしまった状態を「脳梗塞」といいます。

一方、脳の血管が破れて出血したものが「脳出血」です。

糖尿病の方では、脳梗塞の発症リスクが、

糖尿病でない方より2-4倍高く、

脳出血よりも脳梗塞が多いと言われています。

 

症状としては、

脳血管障害では意識が低下したり、手足が麻痺したり、感覚に異常が生じたり様々です。

脳梗塞では、手足の片側が動かせなくなる「片麻痺」、

うまく話せなくなる「構語障害」が多く認められます。

その他にも、めまいや意識障害が起こる方もいます。

 

脳梗塞を起こして間もない場合は、

詰まった血栓を溶かす治療を行うことで脳の機能回復が期待できる場合があります。

症状が出始めてから、3~6時間以内に治療を開始することが重要とされており、

脳血管障害かも知れないと思う症状が出現した際は、速やかに医療機関を受診し、

治療することが大切です。

 

脳梗塞の予防には、血糖コントロールを良好に保つと共に、

血圧管理、脂質管理、体重コントロール(減量)、減塩、禁煙が重要です。

生活習慣の改善に心がけ、総合的に予防していきましょう。

 

 

写真は目黒のパン屋ジャンティ―ユさんの食パンです。

糖質30%オフのパンです。

バターをのせて焼いた写真も撮るつもりが

食べ終わって、しまった!と気づきました。

外はサクッ。中はふわり。やさしい甘味があって

美味しいパンです。