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糖尿病の(慢性)合併症:大血管編:えのき 「き」の巻

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糖尿病の(慢性)合併症:大血管編:えのき

「き」の巻

 

「き」:虚血性(きょけつせい)心疾患

虚血性心疾患は、心臓に十分な栄養や酸素が行き届かないことで起こる病気のことで、

「狭心症」と「心筋梗塞」があります。

心臓へ酸素や栄養素を届ける動脈を冠動脈といいます。

「狭心症」は、冠動脈が非常に狭くなり栄養や酸素が十分足らない

(虚血:きょけつ)ことで出現する病気のことです。

「心筋梗塞」は、冠動脈が詰まって(梗塞)しまい、

心臓の筋肉(心筋)が死んで、動かなくなってしまう病気です。

虚血性心疾患では、絞扼感(こうやくかん:心臓がつかまれる感じ)や

胸痛が代表的な症状です。

主に階段や坂道を上っている時などの労作時に発症しやすいです。

稀にテレビを見ている時などの安静時にも発症する方もいます。

心筋梗塞の時の胸痛は、このまま死んでしまうかもしれないという不安が

よぎるような強い痛みと言われています。

冠動脈は右に1本 左に1本、

左はその後2本へ分岐するため計3本あります。

冠動脈が1本でも狭窄すれば症状がでます。

狭心症や心筋梗塞は、緊急を要する病気です。

日中であればかかりつけ医へ。

夜間であれば、救急病院へ。

速やかに連絡をとり治療を開始する必要があります。

糖尿病の方は、神経障害が進行していると

痛覚障害(痛みが感じられない)によって

狭心症や心筋梗塞時の胸痛に気がつかない事があります。

心臓の検査を行ってみると、

いつの間にか心筋梗塞を起こしていたという方も少なくありません。

また3本の冠動脈が同時に、広範囲に複数個所、狭窄している場合もあります。

このような方は突然死の可能性が高くたいへん危険です。

胸部症状の自覚症状がなくても、

胸部レントゲン検査や心電図を定期的に行うことが早期発見につながり大切です。

 

虚血性心疾患の予防には、血糖コントロールを良好に保つと共に、

血圧管理、脂質管理、体重コントロール(減量)、減塩、禁煙が重要です。

生活習慣の改善に心がけ、総合的に予防していきましょう。

 

写真はMaiさんシリーズです。

綺麗ですね。

我が家の次女がピンクと白の花が好きと

嬉しそうに言っていたことをふと思い出しました。