脂質異常症と薬2
- 診療関連
脂質異常症と薬2
脂質異常症の治療に薬が必要な場合は
①高コレステロール血症 ②高中性脂肪血症です。
今回は高中性脂肪血症についてお話しします。
高中性脂肪血症は、血液中の中性脂肪(トリグリセライドTG)が
高い状態の脂質異常症です。
中性脂肪は、いわゆる「脂肪」です。
主な役割は、エネルギー源の貯蔵と体温調節、内臓防御です。
生命活動の基本的なエネルギー源の
ブドウ糖が不足すると代用エネルギーとして脂肪が使われます。
そのため、余剰な糖質は中性脂肪に合成され脂肪として蓄えられます。
食べ過ぎは過剰な中性脂肪合成(高中性脂肪血症)につながり、
メタボリックシンドロームや動脈硬化症を発症し、脳梗塞・心筋梗塞に至ります。
治療の基本は、食べ過ぎ注意です。
そして適度な運動が必要です。
動脈硬化予防の目標値まで改善されない場合、薬を開始する必要があります。
中性脂肪合成を抑えることが目的であり、作用メカニズムにより数種類あります。
単独で使用することが多いですが、
併用することで予防効果が高まる組み合わせもあります。
薬を開始することに不安を覚える方もいらっしゃると思います。
その際は、医師や薬剤師にご相談なさってください。
写真は初春の朝陽に輝く信濃川です。