脂質異常症と甲状腺ホルモンの関係について
- 診療関連
脂質異常症と甲状腺ホルモンの関係について
健康診断や人間ドックを受診される方が多い季節となりました。
検査後、要精査と指摘されることがある項目の第1位は脂質異常症です。
自覚症状がないため そのままにしてしまう方が多くいらっしゃいます。
脂質異常症は徐々に動脈硬化が進行して、
将来脳梗塞や狭心症・心筋梗塞になる可能性が高い病気ですので早めの対応が望まれます。
脂質異常症は体質(遺伝的要因)や食べ過ぎ、運動不足、喫煙などが主な原因ですが、
甲状腺ホルモンの異常が原因である場合もあります。
甲状腺ホルモンが低下すると 総コレステロールやLDLコレステロールが高くなります。
甲状腺ホルモンの主な役割は、身体の新陳代謝の調節です。
脂質や糖質の合成や分解、エネルギー産生に関わり、体温を一定に保つ働きもあります。
甲状腺ホルモンが低下すると、元気がなくなり疲れも取れにくくやる気もでなくなります。
熱産生が低下するため寒がりになり、皮膚は乾燥し毛が抜けやすくもなります。
便秘がちにもなり、顔が浮腫みやすく体重も増加します。
高齢者の方では動作が鈍く物忘れも多くなります。また一日中眠気がありうとうとするようになることから、
認知症と誤解される場合もあります。
健康診断では、甲状腺ホルモン検査はほとんど含まれません。
このような症状がある方は、一度甲状腺ホルモンを検査してみましょう。
甲状腺ホルモンが低下していた場合、甲状腺ホルモンの薬を補うことで症状が改善します。
今日の写真は大井町駅前の花壇です。
色鮮やかな花々に春を感じます。