糖尿病と便秘
- 診療関連

糖尿病と便秘
「糖尿病の人は 便秘になりやすいのですか」 とのご質問がありました。
答えは、なりやすい傾向にあります。
糖尿病の患者さんが 便秘になりやすい主な原因は 2つです。
- 高血糖が持続していることに伴う慢性的な脱水状態
- 糖尿病性神経障害による胃腸の機能障害
高血糖では 尿中に糖が漏れ出てしまうため頻尿・多尿になります。
そのため、十分な水分補給をしないと脱水傾向になります。
私たちの体は少しでも水分を確保しようと、便から水分を再吸収し始めます。
便は水分量が減るとともに硬くなり、腸の中を移動しにくくなります。
腸の中にいる時間が長くなると更に水分が減り ますます硬くなっていきます。よって便秘になりやすいのです。
糖尿病性神経障害が原因で便秘になることも多いです。
血糖コントロールを良好に維持していないと糖尿病の合併症である糖尿病性神経障害に至ります。
神経障害の中の自律神経障害により 胃腸の動きが不規則になり便秘を起こしやすくなります。
対策としては、
糖尿病の治療の基本となる食事療法・運動療法をしっかり取り組み、
高血糖を改善し血糖コントロールを良好に保つことです。
適切な食事療法は、
高血糖による脱水状態を改善すると共に十分な食物繊維が腸の動きを正常化させます。
運動によって腸が刺激され腸の動きを活発化します。
腹筋が衰えると排便時に腹圧をかける力が弱まり腸の動きが鈍くなりますので、
運動療法の継続は大変重要です。
新緑の季節になりました。
水分をこまめに補給しながら気持ち良い汗をかいてみてはいかがでしょうか。
写真は新潟 信濃川沿いの鯉のぼりです。
青空の中気持ちよさそうです。

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